民法みんぽうなどの改正かいせい案あんは、離婚りこん後ごに父ちちと母ははのどちらか一方いっぽうが子こどもの親権しんけんを持もつ今いまの「単独たんどく親権しんけん」に加くわえ、父ちちと母はは双方そうほうに親権しんけんを認みとめる「共同きょうどう親権しんけん」を導入どうにゅうするとしています。

そして、父母ちちははの協議きょうぎによって共同きょうどう親権しんけんか単独たんどく親権しんけんかを決きめ、合意ごういできない場合ばあいは家庭かてい裁判所さいばんしょが判断はんだんします。

裁判所さいばんしょがDV＝ドメスティック・バイオレンスや子こどもへの虐待ぎゃくたいがあると認みとめた場合ばあいは単独たんどく親権しんけんとなります。

改正かいせい案あんは、共同きょうどう親権しんけんを選択せんたくする際さいに父母ちちはは双方そうほうの真意しんいによるものか確認かくにんする措置そちを検討けんとうすることなどを付則ふそくに盛り込もりこむ修正しゅうせいをしたうえで、16日にち衆議院しゅうぎいん本ほん会議かいぎで賛成さんせい多数たすうで可決かけつされました。

また、付則ふそくには共同きょうどう親権しんけんのもとでも、片方かたほうの親おやだけで判断はんだんできる「急迫きゅうはくの事情じじょう」などがどのようなものか、政府せいふが周知しゅうちすることも盛り込もりこまれました。

一方いっぽう、16日にちの採決さいけつで、自民党じみんとうの野田のだ元もと総務そうむ大臣だいじんは、党とうの方針ほうしんに従したがわず反対はんたいしました。

共同きょうどう親権しんけんの導入どうにゅうに賛成さんせいの立場たちばの「親子おやこの面会めんかい交流こうりゅうを実現じつげんする全国ぜんこくネットワーク」の代表だいひょう、武田たけだ典のり久ひささんは「父ちちと母ははが協力きょうりょくして子こどもの養育よういくに関かかわれるようになることは一いち歩ほ前進ぜんしんだ。今後こんごは法案ほうあんの趣旨しゅしがきちんと周知しゅうちされ運用うんようされるのか注視ちゅうししたい」と話はなしています。

反対はんたいの立場たちばの「全国ぜんこく女性じょせいシェルターネット」の共同きょうどう代表だいひょう、北きた仲なか千里せんりさんは「共同きょうどう親権しんけんのメリットの説明せつめいがなされないままで付則ふそくの内容ないようもあいまいだ。参議院さんぎいんの審議しんぎでは、さらに一いち歩ほ踏み込ふみこんで『急迫きゅうはくの事情じじょう』などの具体ぐたい的てきな内容ないようを出だしてほしい」と話はなしています。

また、共同きょうどう親権しんけんが導入どうにゅうされた場合ばあい、保護ほご者しゃなどの収入しゅうにゅうに応おうじて高校こうこうの授業じゅぎょう料りょう負担ふたんを軽減けいげんする就学しゅうがく支援しえん金きんの受給じゅきゅう資格しかくがどうなるのかについて、盛もり山文やまぶん部ぶ科学かがく大臣だいじんは「当然とうぜん親権しんけん者しゃ2人にん分ぶんの収入しゅうにゅうに基もとづいて判定はんていすることになる」としながらも、「もう1人にんの親権しんけん者しゃと連絡れんらくが取とれない場合ばあいなどは、個別こべつのケースごとに対応たいおうしていく」と述のべました。

改正かいせい案あんは今いまの国会こっかいで成立せいりつし、2年ねん後ごの2026年ねんまでに施行しこうされる見通みとおしですが、DVや虐待ぎゃくたいが続つづくことへの懸念けねんが根強ねづよいことから、参議院さんぎいんでも、運用うんよう上じょうの課題かだいなどをめぐって議論ぎろんが行おこなわれます。